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第三章 遠吠えは闇に木霊する
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 建てられた住居はどれもが高い耐震性を備える半球型をしていて、住居ばかりではなく、居住区に併設された共用トイレ、マスジッド、幼稚園、診療所に至るまで全て同様の形をしている。外部からその居住区に近づくと、整備された土地の上にポコポコと不規則に並ぶ不思議な白い半球型の建物が椰子の合間から顔を出し、周囲の田畑の景色とはまるでそぐわないその一角は、それを目にする者に少なからぬ違和感を与える。

(ジョグジャ通信2007年5月号からの抜粋)


 ホームページを更新しました。興味のある方は以下のリンクからどうぞ。ページ上部にある「JOGJA」をクリックすると「ジョグジャ通信」というメニューが現れるので、そちらから入れます。



追記

 アディスチプト空港の南に点在する小さな遺跡群を回るついでに、久し振りにドーム・ハウスに立ち寄りました。更地に並ぶ白い半球体という風変りな景観で、一時は観光地としても有名になったこのドーム・ハウスは、もともとはジョグジャ大震災の復興支援の一つとして建設されたものでした。数年ぶりに彼の地を訪れてみると、当時はなかったバナナの木が背丈の低いドームを取り囲むようにして茂り、強い陽射しを照り返して真白く輝いていたドームも幾分黒ずんで亀裂が目立ち、随分と雰囲気が変わっていました。家族が増えて手狭になったのか、はたまた専用トイレが欲しくなったのか、ドームに隣接してコンクリート・ブロックで増築を試みる家もチラホラと見受けられました。構造線に近い土地だけに、来るべき地震に備えて建てられた屈強なドーム・ハウスではありますが、増築した部分が倒壊してしまえば何にもならないではないかと思ったりもしましたが、敢えてそれは口にはするまい。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言った感もありますが、いつか起こるかもしれない地震に対する備えよりも、日々の生活を優先せねばならないという拠所なき事情による増築だと理解することにしました。それにしてもあの大震災から既に5年の歳月が流れたとは…。
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